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防水層の標準耐用年数
第2総プロ(第8回「建築仕上環境フォーラム」より)
建設省(現:国土交通省)は、建築物の総合技術開発プロジェクトの一環として、昭和55年度から5箇年にわたって官・学・産の協力体制で“建築物の耐久性向上技術の開発”(通称:総プロ)を実施した。その研究開発は13課題に分かれて行われて、昭和60年11月にその研究成果の概要をまとめた。さらに、昭和61年5月にその研究成果を広く普及させることを目的に「建築物の耐久性向上技術シリーズ」(発行:技報堂出版)が発刊された。
防水については「建築防水の耐久性向上技術」が発行され、その中で各メンブレン防水層の推定耐用年数を各係数で算出して“標準耐用年数”としている。
その後、IS015686において“標準耐用年数”は“リファレンスサービスライフ(Reference Service Life)”と定義された。
平成22年度に、日本建築学会の材料施工委員会と“防水層劣化診断WG”の合同で、各防水工法のリファレンスサービスライフの検討・見直しが行われ、このフォーラムで以下の報告が行われた。
防水工法 | リファレンスサービスライフ (2012年) |
総プロでの標準耐用年数 (1986年) |
---|---|---|
アスファルト保護防水 | 20年 | 17年 |
アスファルト露出防水 | 15年 | 13年 |
改質アスファルト保護防水 | 20年 | * |
改質アスファルト露出防水 | 15年 | * |
合成高分子系シート防水 | 15年 | 13年 |
ウレタンゴム系塗膜防水 | 15年 | 10年 |
FRP系塗膜防水 | 15年 | * |
- 表中の*は、総プロ時点ではあまり普及していなかったエ法のため、標準耐用年数が算出されていない。
- この資料は、2012年3月21日に明治大学アカデミーコモンで開催された第8回「建築仕上環境フォーラム」(主催日本建築仕上学会)で、東京工業大学名誉教授田中享二先生が『防水層の維持保全』のテーマで発表された内容の抜粋です。