技術情報technical
環境対応に関する情報
環境対応型ウレタン防水材システム認定制度
1.概要
NUKでは「環境対応型ウレタン防水材システム」認定制度を2002年から設定・運用しています。
認定制度の対象は、ウレタン防水材のみではなく、プライマー(下地とウレタン防水材の接着用)、接着剤(下地と通気緩衝シートとの接着用)、保護仕上塗料も含めた全体のシステムです。設定してある認定基準は、最低年1回の見直しを図っています。
申請された製品が「認定基準」を満たすかどうかについて「認定委員会」により審査・判定され、合格認定品には「認定証」が送られるとともに「認定マーク」の使用が許可されます。
下記のものは、認定委員会における審査の上、当工業会理事会に報告され、理事会承認を得た、現在適合と判定されている22システムです。
当該22システム製品はNUKから「認定証」および「認定マーク」の使用許可通知が送付されています。
2.認定基準
基準は「環境基準」と「品質基準」及び「容器」の3本立てになっています。「環境基準」と「品質基準」は必ず満たす必要があります。「容器」の対応によって、「Rタイプ」と「Nタイプ」に分かれます。
「Rタイプ」:3基準の全てを満たしたもの。
「Nタイプ」:「環境基準」と「品質基準」を満たしたもの。
「環境対応型ウレタン防水材システム・認定基準:Rタイプ」
対象 | 試験項目 | 基準 | 提出資料 | 試験条件 | 試験方法 | |
---|---|---|---|---|---|---|
品質基準 | ウレタン防水材 | JIS A 6021 全項目 |
試験結果がJIS A 6021の性能規格値に合格していること または JIS A 6021適合製品 |
試験機関によるJIS A 6021全項目の報告書 または JIS適合確認書 |
JIS A 6021による | JIS A 6021 |
保護仕上塗料 | 耐候性 | 色:グレーまたは申請者の指定色 光沢保持率:平均80%以上 |
試験機関による試験報告書 | JIS A 1415 (オープンフレームカーボンアーク) 暴露:500時間(WS-A法) |
JIS K 5600-4-7 鏡面光沢度 |
|
耐水接着性 | 分類:0(カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。) | 試験機関による試験報告書 | カットの間隔:2mm 浸水条件:50℃×168hr 浸漬後、標準状態に24hr放置 |
JIS K 5600-5-6 付着性 (クロスカット法) |
||
プライマー | 耐水接着性 | はく離接着強度:平均50N/25mm以上(水浸漬後) かつ いずれかの部材の材料破壊(凝集破壊) |
試験機関による試験報告書 | 浸水条件:23℃×168hr 浸漬後、標準状態に24hr放置 |
JIS K 6854-2 180度はく離 |
|
接着剤 | 耐水接着性 | はく離接着強度:平均40N/25mm以上(水浸漬後) または 通気緩衝シートの100%材料破壊(凝集破壊) |
試験機関による試験報告書 | 浸水条件:23℃×168hr 浸漬後、標準状態に24hr放置 |
JIS K 6854-2 180度はく離 |
|
環境基準 | 溶剤 | - | 「労働安全衛生法施行令 別表第6-2」に規定されている溶剤ならびに「特定化学物質障害予防規則第2条第1項第3の2号」に規定されている特別有機溶剤を“使用していない”こと | 「溶剤チェックシート」 及び「環境基準遵守確認書」 |
- | - |
化学物質 | - | 環境省「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応-EXTEND2016-」ならびに厚生労働省「シックハウス対象物質に関する指針」(最新版)にリストアップされている物質を“使用していない”こと | 「化学物質チェックシート」 及び「環境基準遵守確認書」 |
- | - | |
容器 | リユース・リサイクル 対応容器 |
容器の大部分が再利用又は再資源化が可能なもの | 「環境基準遵守確認書」 | - | - |
- 防水材システムには、施工対象部位(平場・立上り等)ごとの工法を、総て試験対象とすること
- 試験体は、全ての試験項目において公共建築協会「公共建築工事標準仕様書」における当該適用部位の仕様(X-1、X-2)により作製すること(JIS A 6021による試験を除く)
- 環境基準における“使用していない”状態とは、配合設計意図に含まれず、製造工程上および施工時において混入しないことが確認されていることをいう
「環境対応型ウレタン防水材システム・認定基準:Nタイプ」
対象 | 試験項目 | 基準 | 提出資料 | 試験条件 | 試験方法 | |
---|---|---|---|---|---|---|
品質基準 | ウレタン防水材 | JIS A 6021 全項目 |
試験結果がJIS A 6021の性能規格値に合格していること または JIS A 6021適合製品 |
試験機関によるJIS A 6021全項目の報告書 または JIS適合確認書 |
JIS A 6021による | JIS A 6021 |
保護仕上塗料 | 耐候性 | 色:グレーまたは申請者の指定色 光沢保持率:平均80%以上 |
試験機関による試験報告書 | JIS A 1415 (オープンフレームカーボンアーク) 暴露:500時間(WS-A法) |
JIS K 5600-4-7 鏡面光沢度 |
|
耐水接着性 | 分類:0(カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。) | 試験機関による試験報告書 | カットの間隔:2mm 浸水条件:50℃×168hr 浸漬後、標準状態に24hr放置 |
JIS K 5600-5-6 付着性 (クロスカット法) |
||
プライマー | 耐水接着性 | はく離接着強度:平均50N/25mm以上(水浸漬後) かつ いずれかの部材の材料破壊(凝集破壊) |
試験機関による試験報告書 | 浸水条件:23℃×168hr 浸漬後、標準状態に24hr放置 |
JIS K 6854-2 180度はく離 |
|
接着剤 | 耐水接着性 | はく離接着強度:平均40N/25mm以上(水浸漬後) または 通気緩衝シートの100%材料破壊(凝集破壊) |
試験機関による試験報告書 | 浸水条件:23℃×168hr 浸漬後、標準状態に24hr放置 |
JIS K 6854-2 180度はく離 |
|
環境基準 | 溶剤 | - | 「労働安全衛生法施行令 別表第6-2」に規定されている溶剤ならびに「特定化学物質障害予防規則第2条第1項第3の2号」に規定されている特別有機溶剤を“使用していない”こと | 「溶剤チェックシート」 及び「環境基準遵守確認書」 |
- | - |
化学物質 | - | 環境省「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応-EXTEND2016-」ならびに厚生労働省「シックハウス対象物質に関する指針」(最新版)にリストアップされている物質を“使用していない”こと | 「化学物質チェックシート」 及び「環境基準遵守確認書」 |
- | - |
- 防水材システムには、施工対象部位(平場・立上り等)ごとの工法を、総て試験対象とすること
- 試験体は、全ての試験項目において公共建築協会「公共建築工事標準仕様書」における当該適用部位の仕様(X-1、X-2)により作製すること(JIS A 6021による試験を除く)
- 環境基準における“使用していない”状態とは、配合設計意図に含まれず、製造工程上および施工時において混入しないことが確認されていることをいう